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■We Love Makuhari■

幕張発・テレビショッピングの提案

幕張新都心から全国560万世帯へ、
モノが売れない時代の新マーケット・モデルを創出する。

佐々木 迅■株式会社QVCジャパン 代表取締役社長

インフォマーシャルからテレビショッピングへ

佐々木写真
 日本でテレビショッピングというと、番組の合間や夜遅い時間帯に流される、インフォマーシャルと混同されがちですが、アメリカではインフォマーシャルとテレビショッピングというのは、まったく別のカテゴリーのものです。
 インフォマーシャルの場合、テレビの時間枠を買って、あらかじめ録画して編集したものを流しますから、例えばクルマのワックスにしても、10人がかりで必死に磨いておいたものを見せるとか、演出ができてしまう。それに対して、我々は生撮りで、裏の演出なしにすべてをカメラの前でお見せします。インフォマーシャルのような過剰な演出ではなく、商品の良さ、商品の使い方、商品ができた背景などを正確に伝えていこうというのがコンセプトです。
 同じ番組のリピートは極力避けて、常に新しい番組と、新しい商品をお届けするようにしています。
 いま月刊で約2400商品を扱っていますが、そのうち半分以上が新商品です。QVCのブランド性を作っていくことも大切で、多数のベンダーさんに商品をご提供いただきつつ、トータルとして 「QVCの商品っていいわね」 と言われるよう、品揃えを工夫しています。
 あくまで主役は商品ですが、デザイナーやファッションコーディネーターなどのゲストや、社員であるナビゲーターも、QVCの看板です。また、臨場感を増すために、コールセンターに入ってきたお客様の声を、スタジオに流してお話ししてもらうなど、視聴者参加型、双方向的な仕組みも工夫しています。
 とにかく説明型の商品には強い。例えば、枕ひとつにしても、専門家にきてもらって、時間をかけて理論的に説明してもらう。決して安い枕じゃないんですが、1日で1000個以上売ることができます。商品への理解を促し、説得できるのが強みです。
 ベンダーさんにとっては、こういうメディアは稀少です。問屋を通じて小売店に流す商売に比べて、ずっと多くの情報が流せる。例えば実際に開発をした方に出ていただいて、説明してもらうなんてこともできる。それも5分、10分という短い時間でなく、きちんと時間をかけることが可能です。世の中に埋もれた良品というのは山ほどあって、そういうものに日の目を当てていくということができるわけです。実際、これまでニッチだった商品で、当社の番組を通して全国商品に育ったものがいくつも出てきています。
 我々にとっても毎日が実験で、日々の発見をすぐさま翌日の番組に生かしています。


ブロードバンドには別のアプローチが必要だ

 インターネット事業は、アメリカやドイツではやっており、QVCのサイト(http://www.iqvc.com)は、全世界でトップ10に入るポータルサイトです。あくまでメインは放送で、インターネットではむしろ付加サービス、例えば注文・配送状況の情報提供などに力を入れています。
 イギリスでは、テレビのデジタル放送に双方向の購入ボタンを実験的に導入しており、色やサイズを選んで押すだけで買えます。ただしこれは、お客様の情報をこちらがいつでも見られるかたちになってしまうので、視聴者にとって心地いいサービスかどうかというのは、さらに考えないといけないところです。
 日本では、ブロードバンドがこれだけ騒がれているわりに、見る側の環境が整っていない、インフラも発展途上だということで、本格的な広がりがみられません。コンテンツを作る側では、著作権や肖像権などの権利関係が複雑で解決しにくく、番組供給が広がらないという問題もあります。その点、当社の番組は社内で制作しているので、いつでも自由に放映できるということの優位性は非常に大きいものがあります。
 ただ、現在のサービスをそのままブロードバンドへ持っていくことは難しい。例えば、現在お約束している、原則的に48時間以内出荷というサービスなどは、ブロードバンド化することで注文の数が読めなくなり、在庫管理で非常に難しい面が出てくると思います。もちろん商品を絞るとか、ある程度の妥協点というのがあるとは思いますが。
 また、現在は30代後半から60代前半の主婦層の方々が、視聴者の85〜90%を占めるんですが、この方々は今のところ、ブロードバンドのメインの利用者層ではありません。
 ブロードバンドとなれば、ターゲット、品揃えを含めて、まったく違うやり方を考えていかないといけないでしょう。しかし、さまざまな面で、従来のチャネルとは違う機能、革命的なサービスが提供できることは確かだと思います。


コミュニティの一員として地域に身近な存在へ

 2000年6月に会社を設立して、7月に場所を決めて、8月には幕張新都心に移転してきました。ちょうどその間に、コストコ、ガーデンウォーク幕張、カルフールと、続々と大型小売店がオープンして、面白い所に来たなという思いを強くしました。
 本社を立地するにあたっては、50カ所以上の候補を上げて、私も実際に20カ所以上は見て回り、最終的に幕張新都心に決めました。スタジオが作れるだけの天井高が確保できること、コールセンターを併置するので通勤に便利な場所であることの2点が、主な選択条件でしたが、両方を満たす所となると、なかなか難しかったですね。
 番組ではひんぱんに海外からのゲストを招いて出演してもらっていますので、成田から近いというのも大変有り難い。湾岸沿いで物流倉庫も近くにおけるのが魅力でした。
 また、業務の性質上、シフトが不規則ですから、社員が近隣に居住できるよう会社も支援しています。社員の中にも、ベイタウンに住んでいる人が結構いますが、居住環境は思った以上に快適なようです。
 今年はぜひ、この地域のコミュニティの一員として、QVCを認知していただきたいなと思っています。例えば、番組のナビゲーターが京葉線に乗っていたら、「あの人、QVCの人だね」 と言われるような、地域にとって身近な存在になりたいですね。

QVCは、テレビショッピングという分野のパイオニアとして、アメリカで1986年に放送を開始。アメリカでの放送局売上高ランキングは、NBC、CBS、ABCという三大ネットワークの一角を切り崩し、2001年はNBCに続いて第2位(2000年は第4位)を誇る。毎年売り上げを10%以上伸ばしている高成長の優良企業である。
93年には英国で、98年にはドイツでも事業を開始、どちらも3〜4年で黒字転換を果たしている。アジアでは日本が初進出となる。
日本では三井物産との合弁事業として、2001年4月から放送を開始、現在、24時間365日のチャンネルを、スカイパーフェクTVと全国のケーブルTVを通して、560万世帯(2002年2月末現在)が視聴可能な環境にある。幕張近辺でも、2001年10月からケーブルネットワーク千葉(CNC)を通じて放映されている。
テレビ通販事業者として、マーチャンダイズから、番組制作、コールセンター、配送センターまで、すべて自社で持っているのが、QVCの特徴。番組制作スタジオと、電話注文を受けるコールセンターは、幕張新都心の本社内に、配送センターも同じ千葉県の佐倉市にある。

ささき・はやし●1953年生まれ。1977年三井物産入社、1986年三井物産(香港)有限公司、1988年三井物産上海事務所、1996年(株)ムーヴィーチャンネル取締役、1999年(株)キッズステーション代表取締役社長、(株)サムライティービー代表取締役社長を経て、2000年6月(株)QVCジャパン代表取締役社長に就任。同年8月から幕張新都心で事業開始。

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