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■Visual Study■
世界のウォーターフロント都市(1)
水辺機能と都市機能の高度な調和
監修■横内憲久+ウォーターフロント研究室
ウォーターフロント開発とは、都市開発そのものである。
水辺の背後に広がる都市空間と、水辺周りの親水空間とを、一体のものとして構想し、「水」を核とする都市圏を、蘇生あるいは創生させていくための、永きにわたる取り組みである。
深い掘込型の港湾を活用して個性的な水際線を形成
ハーバーフロント(カナダ、トロント)
カナダ・オンタリオ州トロントの都心部に位置し、オンタリオ湖に面したこの地域は、19世紀初めから港湾都市として栄えたが、近年、産業機能の衰退によって荒廃をみせていた。 1980年、官民両セクターの出資によるハーバーフロント社を事業主体として、個性的な複合都市へ大きく変貌させる7ヵ年計画がスタートした。埋め立て整備を進めて、土地面積を増やすと同時に、深い掘込型の港湾を活用した開発によって、個性的な水際線が形成されている。港湾地帯を、再びトロント市のにぎわいの中心地として再生し、市民の公共財として機能させるために、公共施設の充実、特に水辺への公共的なアクセスに配慮が払われている。
■深い掘込型の港湾を活用して個性的な水際線を形成
ハーバーフロント(カナダ、トロント)
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ハレとケが交錯する景観、ぶらぶら歩きが楽しい刺激的な水辺
インナーハーバー(米国、ボルティモア)
米メリーランド州ボルティモアは、18世紀初頭にチェサピーク湾に注ぐ川の奥深い入り江の最奥部から発展した都市である。今世紀に臨海工業地帯として栄える一方、古くからの埠頭や倉庫群、商業機能がさびれ果て、汚水が漂う有り様だったが、1960年代に30年計画が策定され、再開発への取り組みが続けられてきた。永久的な臨海公園を確保し、大規模な公共レクリエーション設備を整えるとともに、市民を引き付ける魅力的なイベントプログラムが組まれるなど、公共的なレジャー拠点としての機能が重視されている。
商業地域、住宅地域、オフィスビル、大規模コンベンションセンター、ホテルを擁する多機能複合都市であり、年間2000万人の利用客でにぎわうまでに発展している。事業主体である非営利・非株式組織の「チャールズセンター・インナーハーバー管理会社」は、民間としての柔軟性を保ちつつ、財源であるボルティモア市の政策を受けて、公共事業のイニシアティブを発揮し、官・民・デベロッパーの間でのコーディネーターとしての役割を果たしている。
■ハレとケが交錯する景観、ぶらぶら歩きが楽しい刺激的な水辺
インナーハーバー(米国、ボルティモア)
ヨーロッパ最大級のウォーターフロント開発
ドックランズ(英国、ロンドン)
ロンドンシティ空港からロンドンブリッジに至るテームズ川北岸域一帯2150haのドックランズは、英国政府主導の大規模な公共開発プロジェクトとして、近年注目を集めている。英国では、衰退の一途を辿る歴史的産業地域の再生が、70年代に相当に深刻な政策課題となっていた。その対策の一環として1980年に新たに「地方行政・都市計画・土地法」が制定されたのを受けて、1981年にドックランズ開発公社が設立され、民活を導入するためのコーディネーション機能を担ってきた。
当初の計画案は、大ロンドン市議会と5つの地方行政区による「ドックランズ共同開発委員会」が1974年に策定した「ドックランズ戦略計画」で、公共住宅中心のものだった。しかし試行錯誤のなかで次第に国際業務機能、情報都市機能の要素が加わったものへ変貌し、当時のサッチャー政権の民活路線の後押しも受けて、壮大な国際金融都市構想へと発展してきた。
ドックランズを構成する各地区は、すでに公社が主導する総合計画の段階を終えて、地域的な成熟の段階に入っている。各地区は、近代的なオフィスやレストラン、業務、住居、アメニティなどの多彩な展開を見せ、魅力的な個性を放ち始めている。わずか20年余りの短期間にこれだけの集積を実現できた背景には、政府と民間のパワーを協調させ増幅させてきた、ドックランズ開発公社の独創的な公共開発への取り組みがある。21世紀への新たな開発・運営手法として、学ぶべき点が多い。
■ヨーロッパ最大級のウォーターフロント開発
ドックランズ(英国、ロンドン)
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