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コラム■URBANIST IN MAKUHARI

米ダートマス大学生 幕張滞在記


 今年六月十九日から八月二十三日の約二カ月間、アメリカ・ダートマス大学の学生十三名が来日、ホームステイをしながらの日本語研修を、幕張新都心の神田外語大学で行った。

 ダートマス大学はニューハンプシャー州ハノーバー市に位置し、一七六九年創立の歴史をもつアイビーリーグの名門校。こぢんまりとした規模ながら、コンピュータ言語「BASIC」を開発し、早くから学内や地域にコンピュータ・ネットワークを構築するなど、コンピュータ教育に秀でた個性豊かな大学として知られる。同校では、夏休みを利用して学生が引率教諭と共に外国へ行き、生きた語学を短期間に学ぶというユニークな「外国語研修プログラム」がある。日本語研修もそのひとつで、これまで金沢や東京で行われた。

 今年の交流プログラムの日本側の窓口となった鈴木勝彦氏(ダートマス大学同窓会国際交流プログラム担当理事)は、今回、幕張に学生たちを呼んだ経緯を次のように語る。

 「今まで、研修の受け入れ実務は業者まかせが多かったのですが、同世代の人間と交流できなかったり、ホームステイ先が交流の主旨を理解していなかったりと不満がありました。私は幕張ベイタウンに住んでいるのですが、神田外語大学の知り合いにたまたまこの話をしたところ、それでは地元でやってみよう、ということになったのです」

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 ダートマスの学生たちは、千葉市を中心に神田外語大学の生徒宅にホームステイしながら、同校の教室で授業を受けることになった。神田外語大も県内初となるアイビーリーグとの交流を積極的に受け入れた。

 学生たちのスケジュールはかなりハードだったようだ。昼間は日本語や日本文化の授業で引率のドーシー先生らにみっちりしごかれ、夜はたっぷりの宿題に取り組む。アニメや茶道、居合道といった神田外語大のサークルにも積極的に顔を出した。礼儀ただしく、勉強と遊びの切り替えも自己管理できる彼らの姿は周囲の好感も生んでいた。

 ダートマスの学生たちにとって幕張は、東京のようにゴチャゴチャしていず、かといって田舎すぎず、勉強に身をいれるには格好の場所だったようだ。休みごとに東京に遊びに行くにもとても便利、という声も聞かれた。中には九十九里にほど近い茂原のステイ先から学校まで一時間以上かかる学生もいたが、アメリカでは体験できない電車通学を楽しんでいる様子だった。

 とはいえ、異文化の日本での長期滞在。そんな彼らの心のオアシスとなったのは幕張新都心内のネットカフェ、幕張メディアサーフィンだ。ダートマス大学では課題や休講などの学内の連絡、そして学生間でも情報交換はすべて電子メール。学生たちはパソコンや通信システムが整った幕張メディアサーフィンに自由に出入りして、アメリカにいる友人と近況を知らせ合った。また、ここで開かれている市民へのインターネット教室で臨時講師も務めた。

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 BAY・FMのスタジオ訪問や打瀬中学校・幕張総合高校への学校訪問など、縦横無尽に幕張での草の根交流を楽しめたのも、受け入れを担当した鈴木氏が、地元に住む強みを十二分に活かした結果だ。学生たちは伊豆、京都、奈良、広島、長崎にも足を伸ばし、福島県二本松市ではダートマスの先輩で歴史学者朝河貫一の没後五十周年式典に参列した。いろいろな人と出会い、いろいろな土地を訪ね、日本に対する認識を深めたのはいうまでもない。

 「苦労の甲斐がありますよ」と笑っていたドーシー先生はもちろん、幕張滞在をコーディネートした鈴木さん、そして神田外語大学の窓口となった松下和久さんが三者三様に今回の交流プログラムに確かな手応えを感じ、これを契機に地域や学校レベルで様々な国際交流が始まろうとしている意義は大きい。そして何より、誰もが驚くほど学生たちの語学力がついた二カ月だった。

(1998年秋)


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