デジタル化ということとネットワーク化ということはほぼ同義であると思う。電子技術が日常生活用品となって浸透し、気がついたらそれらなしでは不便を感じる。携帯電話は持つまいと思った。けれど子どもが利用しはじめ、あっさりと決意を撤回した。あまり利用しないけれど、これを持っていると必要ならいつでも連絡がとれるというだけでなく、どこにいても家族と繋がっているような気がするのだ。ものの利便性に舌を巻くということにとどまらず、見えない繋がりの回路が生じていることに感動する。
困ったことも起こる。情報社会の特徴の一つは個人情報への関心が否応なく高まることである。権力は個人情報をネットワークとしてそのまま一括して把握・管理しようとする。社会は家族や個人がネットワーク化することを求め(たとえばカードの利用)、さまざまな手段を使って私たちをネットワークへと誘惑する。
男女関係のレベルでは、まるで性の秘密を覗きみるような欲望の強度で、相手のプライバシー情報に接近したがる傾向が出現する。ストーカーはそういう意味ではデジタル時代が産出した異様行動だといえるかも知れない。このようにネットワーク社会は便利だし、繋がりができるが、その一方でそこに組み込まれていないと不安を覚え、かつ私たちのガードを固くする