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■次世代型シンクタンクの条件/第3回■

多重的構造転換の圧力が
日本を変え、地域を変える(1)


インタビュー
横山昭雄■ちばぎん総合研究所社長



これからのシンクタンクの在り方を考えるというテーマで、これまで2回にわたって、官主導的なシンクタンクの話を伺ってきた。
今回は「地域の時代」を迎えるなか、地方銀行2位の座にある千葉銀行のシンクタンク、ちばぎん総合研究所の横山社長にお話を伺う。



世界最高の賃金、技術、為替レートに
見合った産業構造への転換


――バブル崩壊後に、日本全体が新しい方向へ、大きく向かいつつあるように感じられます。これらについては、経済システムとして一体何が起こりつつあるか、という議論が積み重ねられる必要があるのではないでしょうか。

横山■ご指摘のような変化は確かに感じています。現代は、まれに見る構造転換の時代だという気がしますね。これほど大きな構造転換が重なった時期というのは、ちょっと珍しいんじゃないかと思います。

 中でも一番大きいのは、本当の意味の先進国になるという転換圧力のような気がします。戦後五十年にわたって日本は、欧米先進国技術の積極導入と欧米先進国より割安の賃金という、この二つを武器にして、中進国型=キャッチアップ(追いつき追い越せ)型の高度成長路線をひた走りに走ってきたと思います。その結果、入れるべき技術は全部入れてしまい、賃金は世界最高水準になってしまった。

 統計の取り方にもよりますが、現在、日本のGDP(国内総生産)は四七〇兆円程度であり、便宜的に一ドル=百円とすると四兆七千億ドルで、一人当たり約四万ドルに達します。

 アメリカのGDPは七兆二千億ドル程度で、一人当たりでは三万ドルに達していません。また、英・独・仏の欧州先進三ヵ国・二億人のGDPを足した数字をも上回っている。そういう規模の経済なんです、我々が実現してしまった経済というのは。

 戦後ひたすら続けてきた、追いつき追い越せという成長路線を支えてきた条件が二つともなくなってしまったのですから、中進国型のキャッチアップ路線はもう取れません。つまり、マラソンにたとえるとトップ集団として働かなければならず、それこそタンザニアのイカンガーではないが、レース当日の状況判断などを自分で行わなければいけない。しかし日本は、これなでいつも二番手にいたから、与えられた目標をいかに達成するかというハウツウは得意ですが、トップランナーになって、ホワットツウ=何をやるか自分で考えろと言われても、そんな経験はないわけですよ、明治以来。

 そういう日本が、いまや先進国に変身しなければいけないという悩みを抱えている。それが構造転換の最大の圧力だと、私は思いますね。したがってこれからの日本は、独自の技術開発を行い、自分でニッチを見つけて世界最高の賃金、世界最高の為替レートに見合った商品構成、産業構造に換えていかなければならない。この構造変換は、これまでと全く違う行動パターンを日本人に要求するため、大変苦しい、しんどい転換になります。


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