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こどもの麻酔法は、年齢にもよりますが、痛みをとるのと同時に、深く眠った状態にする全身麻酔が一般的に好ましいとされています。この理由は、こどもは、聞き分けがないことや、繊細で感受性も高く、精神的に傷つきやすいこと、身体が小さいために、ちょっと動いただけでも手術が困難になること、等のためです.
全身麻酔で使用される薬は、麻酔ガスや、鎮痛薬、筋肉を麻痺させる筋弛緩薬を始め様々な薬があります。この様な薬は厚生省や、製薬会社、学会などで詳しく副作用が調べられています。内容としては、一般に市販されている風邪薬などと同様に、「時に、、肝障害がある。」とか「稀に、、アレルギー反応がある。」とかいろいろです。しかし幸いなことに、使用方法や使用量などに注意を払って使用する限り、まず安全と言って良いものです。
全身麻酔は、いわば患者さんを冬眠状態のようにするために、その間は人工呼吸を行っています。こどもの人工呼吸は、大人に比較すると特別の配慮が必要で、人工呼吸にトラブルがあると、いろいろの合併症を起こしやすくなります。このために、風邪や喘息の時には人工呼吸が数倍困難になる可能性があり、麻酔の事故にもつながりかねません。こどもの麻酔中の事故や合併症は、その多くが呼吸に関連しています。
ところで、麻酔事故の頻度ですが、麻酔中に何らかのトラブルで、心臓が止まってしまう確率は、こどもの場合、麻酔1万件あたり0.6件の頻度と報告されています。ただし、亡くなってしまわれた患者さんは1名もありません。この頻度を交通事故と比較してみますと、千葉県の昨年の交通事故による死者数は465名で、人身事故件数が30,135件と報告されています。これですと死亡件数は県民一万人あたり0.8名、人身事故件数はその65倍となります。つまり、こどもの麻酔事故は、交通事故よりは頻度が少ないか同程度のもの、と考えられます。
麻酔中にはこのほか、唇の色が黒くなる、歯が欠けるなど、心臓が止まってしまう程ではない合併症が、この数倍から数十倍あると言われてます。更に、成人と小児では、小児の方が3倍高く、赤ちゃんと小学生では当然赤ちゃんに多く、何らかの病気をすでにお持ちの方は、健康なお子さんより合併症の発生率が高いという傾向にあります。また、麻酔をかける側が、こどもの麻酔の専門医がいる施設とそうでない施設とでは、専門医のいない施設に合併症の頻度は高いという結果も報告されています。
麻酔による副作用や合併症は、少ないとはいえ可能性はあります。私たちは、出来るだけその発生率をゼロにするように、常に多くの努力をはらっているところです。
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